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百人浜に学ぶ講演会|1年生総合

6月20日。1年生の総合的な学習の時間に、「百人浜に学ぶ講演会」を開催しました。

これは、毎年1年生の恒例の学習で、えりも岬から十勝方面に約10キロ続く砂浜で、先人によって行われた壮大な緑化事業の歴史を学びます。

今年度も、日高南部森林管理署の方をお招きして、たくさんのお話を聞かせていただきました。

真剣に話を聞く1年生

話の概要は、次のとおりです。

今からおよそ140年前、えりも岬に入植してきた先人が、そこでの営みの中で薪を必要としたため、森がなくなるまでになってしまいました。
山ははげ山となり、砂漠となったえりも岬では、降った雨で土砂が海に流れ込み、海の濁りの原因にもなりました。
獲れた昆布は、泥昆布と呼ばれるほどに品質が下がり、風で砂が舞い、目が痛んだり、井戸水も汚れたりと生活にも困るようになりました。
街を捨てるか、砂漠化を止めるか・・・。
街の人は、行動したのでした。
試行錯誤を繰り返しながら、浜にあがる雑海藻(通称ゴタ・ゴダ)に目を付けることになります。
後にえりも式緑化工法と呼ばれるこの方法は、草のたねを混ぜたゴタを砂漠となった地面に敷くことで、風による砂の飛び散りをおさえ、同時に土に養分を与えてくれることにより、草が根付くことができました。草本緑化に成功することができたのです。
さらに、木を植えて、木本緑化を目指そうとしたのですが、クロマツ、カシワの木以外は全滅。また成長にもムラが生じたのです。
そこで、防風垣を設置し、風から苗木を守り、冬に降る雪も飛ばないようになるため、寒さを防ぐこともできました。
また、密植といって、通常の2倍の密度で植樹し、お互いに支え合うようにするという工夫も取り入れました。
ある程度木が大きくなると、調整のために伐採を行い、同時に広葉樹のも植林するようにしました。
こうして、森は元あったように、どんどん豊かになり、きれいな空気、きれいな海をとりもどし、良質な昆布、豊かな海産物、鳥も棲みつくようになり、観光地としても発展していきます。
このような先人たちの工夫と苦労により、えりも岬にまた豊かな自然がもどってきたのでした。
この自然を、今を生きる私たちは守り育て、次世代へと引き継いでいかなければなりません。

授業の最後には、学級委員長からお礼のあいさつがありました。

来週には、実際に百人浜へでかけて、植樹体験をしてきます。
そうやって多くの人の手で、緑が広がっていったことを体感できればと思います。


みんなにも読んでほしいですか?

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